なみえびと

2020-09-16

杜氏として日本酒の文化とともに浪江の魅力も発信したい     茅根修一さん

道の駅のオープン、請戸漁港での水揚げ再開と、ニュースが目白押しの浪江町。いよいよ復興まちづくりの本番ステージが始まり、多くの分野で新たな人材が必要とされています。そこで町は「地域おこし協力隊」の制度を活用。現在2030代の3名が、それぞれ伝統工芸、日本酒づくり、観光のフィールドでその力をぐんぐん発揮中です。彼らの仕事内容は?そもそも応募動機は?そして抱負は?ぜひお聞きください。

▼浪江町では令和2年度の地域おこし協力隊員を募集中です!
詳しくはこちらへ:https://www.town.namie.fukushima.jp/soshiki/7/25764.html

 

【氏 名】 茅根 修一(ちのね・しゅういち)さん
【勤務先】 株式会社鈴木酒造店 長井蔵
【着 任】 20205月~(1年目)
【出 身】 茨城県
【生 年】 1988

 

▶いまのお仕事内容は?

山形県長井市の鈴木酒造店長井蔵にて、杜氏を目指して修業中です。もともと浪江町請戸にあった鈴木酒造は、いよいよ来年(2021年)道の駅なみえの敷地内に完成する新施設で酒造りを再開します。僕はその浪江での製造を担当する予定で、準備を進めています。ただ、協力隊として着任した5月はちょうど今シーズンの酒造りが終わかけの時期だったため、その後はひたすら研修の日々。他にも、蔵の紹介動画を制作してラベルのQRコードから再生できるようするなど、マーケティング面でも提案して自由にやらせてもらっています。

▶協力隊員になるまでは?

大学を出て一般企業に務めていましたが、大の日本酒好きが高じて、ついに自分で造ってみたいと思うようになったんです。愛知県の酒蔵で蔵人として3シーズン働いたほか、他県で日本酒の販売・営業や飲食業なども経験しました。でもやはり、僕は杜氏になって自分で酒造りがしたいと思った。体力的にも精神的にも非常に厳しい世界ですが、機械でモノを作るのとはまったく違う、果てしない面白さがありますから。それで、大好きな銘柄「磐城壽」を造っている鈴木酒造店に直接連絡して「いま採用してますか?」と。ちょうどそのとき協力隊員として杜氏候補を募集していたとは知りませんでした。本当にご縁だったと思います。

浪江で酒造りをする予定の場所から試験的に汲み上げた水を長井蔵まで運ぶため車に積みこむ茅根さん

▶浪江町についての感想は?

現在の勤務地は山形なので、浪江はまだ数回しか訪れたことがありません。名前は知っていましたが、正直あまり関心もなかった。僕は日本酒造りがしたいのであって、場所は二の次でしたから。初めて訪町したときは、復興はまだまだなんだなとも感じました。でも、町の歴史や文化、震災後の経緯を学ぶにつれ、だんだん興味が湧いてきています。町内での酒造りが始まったら僕は浪江常駐になりますが、町での暮らしは全く心配していません。これからもっといろいろな人と関わり、もっと浪江を好きになりたいです。

▶抱負をお聞かせください

まずは杜氏になるという目標を達成すること。そこからが勝負です。そして、浪江の地酒とともに浪江の魅力も発信していきたいですね。販売量の低迷が続く日本酒の将来については、あまり楽観はしていません。これから若い人の嗜好に合わせて、低アルコールなど飲みやすい新しいタイプの酒も増えていくでしょう。でも僕がおいしいと思っているのは今の日本酒。その味、その価値をこそ伝えていきたい。それに、市場は日本だけではありませんからね。

(取材日:202093日)

▼浪江町では令和2年度の地域おこし協力隊員を募集中です!
詳しくはこちらへ:https://www.town.namie.fukushima.jp/soshiki/7/25764.html

浪江町地域おこし協力隊員、活躍中!(1)
多くの人に現地を見て「自分ゴト化」してもらいたい~石山佳那さん
https://www.730.media/chiikiokoshi_1/

浪江町地域おこし協力隊員、活躍中!(3)
窯元として産地を背負っていける存在になりたい~吉田直弘さん
https://www.730.media/chiikiokoshi_3/