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元祖・町の活力!それが「浪江焼麺太国」のなみえ焼そば

元祖・町の活力!それが「浪江焼麺太国」のなみえ焼そば

焼そばで町を元気に!

浪江にちなんだモノ・コトの中でも、福島県内外に住む方が目や耳にしたことが一番多いのでは?という言葉が『なみえ焼そば』。

今から60年ほど前に、町で働く漁業や農業、林業といった一次産業に従事する方に対して『旨く』『腹持ちのいいもの』として提供されたのがルーツ。評判を呼び町の飲食店がメニュー提供を始め、老若男女問わず人気を集めました。

その特長はなんといっても極太の中華麺。一度見たら忘れられない強烈なインパクトを残す主役を、もやしと豚バラ肉とともに鉄板で焼いてソースで味付ける。長い年月で培われたスタイルは町を象徴する存在となりました。

『こんな焼そば、日本全国を探しても他にない!』

浪江町商工会青年部を中心に『なみえ焼そば』をテーマとした町おこし活動が始まったのは、2008年11月のことでした。

「元々、富士宮やきそばで町おこしに取り組んでいた渡邊会長の講演を聞いたのがきっかけで、浪江にも他にない変わったものがあるのでは?という視点で目をつけたのが焼そばだったんです。お店によってソースが甘めだったり酸味が強かったり。独自の味があった。自家製麺のお店も多かったので、麺の太さにも個性があったんです。テーブルに置いてある一味唐辛子は定番の薬味です。なので、普通のやきそばと同じように『紅しょうがやマヨネーズはないんですか?』というお客様の声もあります(笑)」

そう語るのは、まち・なみ・まるしぇ内に構える『浪江焼麺太国アンテナショップ』で、店長を務める浅見公紀(たかのり)さん。

その後、B-1グランプリへの出展を目指して、町おこし活動団体『浪江焼麺太国』を建国。2009年に愛Bリーグに加盟し2010年の厚木大会からB−1グランプリに出展。その効果は予想を遥かに上回るものだったそうです。

「一番は飲食店の意識が大きく変わったことです。活動当初は反対された部分もありました。飲食店との軋轢や『なぜ焼そばで町おこし?』という意見もありましたが、B-1後には露出も増加し町の飲食店を訪れる客数の変化を通じて、地元の方は焼そばが持つ価値の再認識をし、外の方にも少しずつ浪江という町のことを知ってもらうきっかけになりました」

「まちおこし」から「まちのこし」へ

東日本大震災とその後の原発事故により避難生活を余儀なくされ、バラバラになってしまった『麺バー』の皆さん。それでも、活動を止める気持ちはありませんでした。

「震災が発生した翌月の4月17日に、(二本松の)東和の道の駅でふるまいを出すことにしたんです。それが活動再開だったのですが、そのことが大きく報じられたことで、200-300食の材料が用意した分じゃ足りなくなっていました。焼そばを食べるためにバラバラだった浪江の方が集まって、会場が再会の場になったんです。それを見て『我々にできることがまだある』と強く感じました。あの時点では将来がよく分からなかったこともあって、町民の『心の復興』のために活動をしていました」

東日本大震災の翌年に仕事を辞め、浪江焼麺太国の麺房長官(事務局長)の立場で携わることとなった浅見さん。食の力で被災者を励ますことで、逆に多くの方に励まされた瞬間でした。

「その後、全国のイベントに出展した時にもそこに避難している人が来場し、それが知り合いだったということもありました。最初は本当にみんなバラバラだったので、ずっと継続していくことに意義があると感じたんです」

こうして活動を続けていくうちに、活動の意義に変化が生じていることを感じていました。

「町に戻れない状況であれば、まちおこし活動をしている私たちだからこそできる『まちのこし』活動をしたいと強く思いました。どこに避難していても、町民であることに誇りを持って欲しかったんです」

数々の苦難を乗り越え、B-1グランプリの2011年大会への出展にこぎつけ、翌年の2012年と合わせて2年連続で4位入賞。そして、2013年の豊川大会でついにゴールドグランプリを受賞。翌2014年には郡山大会でホストの大役を務めました。

「あれが、一つの大きな区切りになりました」

全国から訪れる大勢の方に福島の現在を見てもらったこと。それが次のステップに向かうタイミングでした。

焼そばが生み出す絆は、より太くたくましく

「役場の横に『まち、なみ、まるしぇ』がオープンすると聞いた時には、『何かできないかな』って。なみえ焼そばを出す店がない状況で、新しい一歩として町のスタートに合わせて立ち上がるべきだという気持ちでお店を出したんです。それは成功するかしないかじゃなく、今までの『まちのこし』活動の集大成として先頭に立つのが使命だろうって」

2016年10月、浪江焼麺太国アンテナショップがオープン。昼どきになれば多くの方が焼そばに舌鼓を打つお店で働く方は、全て浪江町に由来のある方です。

「人材不足なので知り合いを辿って見つけました。町民の方と一緒にお店ができていることが何よりだった」

お店を支えるために、いわきや南相馬からわざわざ通う方の根っこにあるのは強い地域愛。故郷・浪江に対する思いを共にするという気持ちで動いています。

「町の一部で避難指示が解除された3月31日以降、僕達は新たな『まちづくり』の段階に入ったと思う。未来に向けて動く中で、課題が見えた時に次の活動を展開することになります。町の動きと一緒にお手伝いできることがあれば、取り組んでいきたいですね」

まちづくりは始まったばかり。でも、長く町を支えてきた焼そばが力の源として輝く限り、一人一人が力強く前に進むはず。アンテナショップの壁に飾られているのは、笑顔で焼そばを頬張ったり鉄板で調理する姿。浪江町の誰もがこの味に親しんだ記憶を次代に繋ぎます。

さぁ、皆さんもソースがたっぷり絡んだ麺を食べて、今日から浪江町の一味になりませんか?

 

浪江焼麺太国アンテナショップ
住所:〒979-1513 福島県双葉郡双葉郡浪江町幾世橋六反田7−2 まち・なみ・まるしぇ内
電話番号:0240-34-7260
営業時間:11:00-15:00
定休日:土曜日、日曜日、祭日(毎月の『まるしぇの日』は営業)

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