グルメ

2019-05-24

浪江町の力になりたくて

今年3月18日にオープンした「麺屋 龍次」。
朝夕はひっきりなしに車が通る国道114号沿いに位置しています。

 

「いわき市でラーメン屋を営んでいる友人から声をかけられたのがきっかけでした。」
店長代理山口喜一さんは、ラーメンが大好きと言います。とは言え、作るのはもちろんこれまで経験していません。
当然、一からの修行でオープンまでは相当勉強したと話します。

「浪江にお店を出すということ自体には、ハードルは感じませんでしたよ。とにかく浪江のために何かやってみないか…そんな友人の気持ちに後押しされ、“のれん分け“という形でラーメン屋を始めることにしたんです。」

町内では、新店舗のオープンや再開の動きが進んでいる一方で、働き手不足や食材の入手が困難であるなど、町が抱えている課題は依然多くあるのが現状です。多くの事業者さんがそうした壁に直面しています。
しかし、そんな不安をものともしない笑顔で答えてくれました。

「とにかく頑張っていきますよ。ラーメン作りの方もまだまだ修行と勉強が続きますし、大変なこともありますが、何よりもお客さんが喜んでくれれば一番嬉しいですから。」

自衛官時代の出会い

東日本大震災当時、自衛官として働いていました。
その時に出会ったのが、現在このお店のメンバー鈴木さん。
被災地を支えた二人が、再び力を合わせて復興を目指し意気投合。それから間もなく浪江町へと移ってきました。
山口さんは強面な第一印象とは逆に、気風の良い物言いから人の良さがにじみ出ています。
鈴木さんが浪江でやっていこうと決めることができたのは、山口さんの人柄が成し得たのでしょう。

何気ない会話が喜びとなる

そろそろ夜の営業も終了という頃、ふらりと来店した若い男性のお客さんがやってきたそうです。


▲お店自慢の辛味噌ラーメン

 

「こんなところにラーメン屋さんができたんですね。」
「おいしかったです。ごちそうさまでした!」
なんということはない普通の会話でしたが、偶然ラーメン屋があったということ、そしてまだ営業していて温かいものが食べられたということ、それだけでとても喜んでくれた若者がとても印象に残っているそうです。

「たまたま浪江に来た人、この地域で働く人、浪江に戻ってきた人…とにかく人と人との繋がりを大切にしたいです。会話から生まれる人のつながりの温かさを感じたいです。誰とでも声を掛け合える町になったらいいなと思います。」
最後に、「地域ナンバーワンの店になる!」そう無邪気な笑顔を見せてくれました。

 

一杯のラーメンがコミュニケーションのきっかけになる…。
そんな場所になることを目指して、今日も山口さんは麺屋龍次ののれんを掲げます。


【営業時間】
11:00~15:00
18:00~20:00(※スープがなくなり次第終了)
定休日は日曜のみ
【メニュー】
味噌・醤油・辛子味噌3種のみ
※大盛無料


▲半熟の煮たまごとこってりスープは黄金の組み合わせ